2011年4月12日火曜日

美談でも何でもない

風評に負けない!福島など安全野菜をネット通販

産経新聞 2011/04/10

 福島第1原発の放射性物質(放射能)漏れ事故で風評被害を受けている農家を支援しようと、安全な野菜のインターネット販売が始まっている。農家を応援する気持ちが消費者を後押しするのか、評判は上々だという。

 ニラ、乾燥シイタケ、キュウリ-。福島県二本松市にある二本松農園の斉藤登代表(51)は、3月30日から福島県産で出荷停止や自粛になっていない野菜を集め、自身のサイト「里山ガーデンファーム WEBショップ」でネット販売している。1週間で全国から500人以上の注文を受け計約4トンを販売。品切れも出るほど好評だ。

記事本文の続き 斉藤さんは福島県内の農家から「出荷停止や自粛品目でもないのに売れない」といった風評被害の嘆きを聞いた。県が農作業の延期を要請しているため、自身もコメの作付けのめどがたっていない。だが、「手をこまねいていても仕方がない。消費者との仲立ちをしたい」と販売を始めた。

 野菜自体より送料が高くつくのを防ぐため、1個口の単位はキュウリ5キロ(約50本)など大きくならざるを得ない。だが、購入者の反響は「レシピを開発し、キュウリ5キロをすべて家族で食べた」「近所に配って喜ばれた」と温かい。「野菜を買うことで応援になれば、という気持ちが伝わってくる。本当にありがたい」と斉藤さんは話す。

 有機野菜などの食品を扱うネット通販のオイシックス(東京都品川区)は、風評被害を受ける茨城県産などの野菜を販売するコーナー「がんばれ! 関東野菜」をサイトに新設した。

 商品は、独自に放射線量を検査して国の暫定基準値を下回ったもので、現在、茨城県産のシュンギク、千葉県産のキャベツなどが販売されている。今後、商品数を拡大する予定だ。

 コーナー新設は、利用者対象のアンケートで「放射線量が国の基準値を下回り、安全が確認できれば購入したい」との回答が8割近くに上ったため。利用者からは「わが家でもできる復興支援ですね」といった賛同の声が寄せられ、売り上げも上々だという。


 この野菜が「安全」である保証はどこにもない。それを買って食べるのは、消費者が自分と家族の健康を危険に晒しながら東電と国の賠償責任を肩代わりしていることにほかならない。そして生産者も、なぜ消費者を危険に晒す前に被害の補償を東電や国に求めないのか?こんなのは美談でも何でもない。

飯舘村、全農作物の作付けを中止

読売新聞 4月12日(火)20時25分配信
 東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、「計画的避難区域」に設定される福島県飯舘村は12日、すべての農作物について今季の作付けを行わないことを決めた。

 菅野典雄村長は「汚染された土壌の数値が改善するとは思えない。耕作者の責任としてやめようという判断だ」と話した。

 同村は国に対し、補償のほか、いち早い土壌の浄化を求めていくという。

 飯舘村では、政府がコメの作付制限の対象とした検出値(土壌1キロ・グラム当たり5000ベクレル超)の約3倍の放射性セシウムが水田から検出されているが、この日開かれた同村議会の災害対策特別委では、コメだけでなく、野菜や花についても「風評被害の懸念は消えない」などとして作付けしないことを決めた。


 「耕作者の責任としてやめようという判断」と国への補償請求。飯舘村の判断こそ正しい。