2008年6月20日金曜日

「愛のムチ条例」と暴力信仰

毎日新聞より
「宮崎県の東国原英夫知事は18日の県議会本会議の終了後、記者団に「体罰は愛のムチ。昔はげんこつで教えられたが、最近はできなくなっている。愛のムチ条例はできないか」と発言した。」

子供への暴行を肯定する条例が、刑法やこどもの権利条約とどのような関係になるのかはともかく。東国原知事は以前に徴兵制の復活を提唱したことがあるし、大阪の橋下知事は府職員を自衛隊で研修させたいとの意向を示すなど、こういった暴力信仰者が自治体のトップに座り、有権者の支持を集めていることに恐ろしさを感じる。

「殴らなければ分からないことがある」とよく言うが、言葉で理解できないことを、どうして殴られて分かるのか。殴られて行動が変わっても、それはその行動が悪いことが分かったのではなく、暴力への恐怖のためにとりあえず大人しくしているだけで、殴る者がいないところでは悪いことをする。弱い者には好き放題する。なぜなら、殴られて分かることは「人を支配したければ暴力に訴えろ」ということであり、物事を暴力で解決することを教育することになるからだ。

府職員への自衛隊研修に至っては訳が分からない。自治体職員に人殺しの訓練をさせて業務の効率が上がるのか?時間・税金の無駄使い、府職員いじめ以外の何物でもない。こんなものは研修とは言えないし、もしこのような「研修」が実施されたら、大阪府民は知事に対して費用返還請求をすべきではないか。それにしても、部下を信頼せずいじめることしか考えていない上司を持った大阪府職員には同情を禁じ得ない。